「ローコストで、家族と共に成長できる家をつくって欲しい!」 これが、施主の唯一の要望であった。若い夫婦と子ども1人の3人家族であったが、将来家族が増えるかもしれないし、両親が加わるかもしれない。現状において十分なスペックをもった計画ではあるが、南側に飛び出した鉄骨フレームは将来の様々な増築のために残してある。家族の成長や変化に対応して、家も成長、変化を続けていけるフレキシブルな家だからこそ坪単価50万弱というローコストで実現ができた。 家は「買うものではなく、つくるものなんですね。」施主のその言葉を聞いて今後の新たな展開が非常に楽しみになった家である。美容院を営む施主は、店舗の移転に伴い職住分離の生活から職住一体の生活へ移行することにした。1階店舗(美容室)、2階の住宅とし、それを繋ぐ縦の空間として中庭を設けた。この中庭は、風や光とともに視線の抜けを意図したものであり、昼間1階で働いている両親の姿を2階で子供が覗けるよう視覚的につなぐことで、家族のつながりをつくりだしている。 また中庭の「いろはもみじ」の緑や紅は、白を基調とする空間に変化を与え、1階の美容室の待合コーナーとシャンプーコーナーの間に適度な距離間をもたらしている。
竣工: 2002年5月
所在 : 千葉県
用途 : 店舗+住宅
構造 : S造
延床面積 : 197.46平方メートル
業務 : 設計監理
所在 : 千葉県
用途 : 店舗+住宅
構造 : S造
延床面積 : 197.46平方メートル
業務 : 設計監理